水木しげる『小説 ゲゲゲの鬼太郎』について
はいこんにちは、Wパスポートレディの襲撃をかわした「た」です。
今日は水木しげる『小説 ゲゲゲの鬼太郎』について。

昨日、丸の内線に乗って驚愕した。吃驚した。

仕事場に帰るべく電車に乗り込み座席に座っていると、電車は駅に着き一人の女を乗せてまた走り出した。
女、あたくしの隣に座る。気にもせずあたくしの視線は本に注がれたまま。
視界の端に赤と小豆の混じったような色の冊子がちらちらと。ぺらぺらと、音もする。一瞥。

・・・・・・おいおい隣の席の女、お前なんで真新しいパスポートを二つも持ってんだよ。
それ誰んだよ?
つーかなんだその着のみ着のまま、「あたし寝起きです」みたいな格好は!
すっぴん丸出しだし。
鞄もなんも持ってないし、男もんっぽいスーツのジャケットをぐるぐるに丸めて持ってるだけで。
もしかして男と喧嘩して走って出てきたんじゃねーだろーな?
ついつい刺しちゃったんじゃねーだろーな?
んで、なんでパスポート持ってきちゃうんだよ!
でなんでパスポート?

目が据わっている女をじろじろ見るわけにもゆかず、ちらちら、ちらちら。
事件性が高そうだなぁ。いや、そんなことないのかなぁ。

あぁ彼女怒ったよ、口論だよ、男、女の首に手をかけ力を込める、女近くの花瓶で男の頭、打ち所の悪そうなところをガシャン!
偶然と必然。
逃げなくては。自分のやってしまった事実から逃げなくては。
外は寒い、とりあえずジャケットとパスポートっと。

もしくは寝ている男。女、そっとベッドから抜け出し逃げることを決意。
一ヶ月に及ぶ逡巡に決着がつく瞬よ、さぁ訪れよ。
起こさないようにそっと引き出しを開け、目に付いたパスポートを取り出す。
逃げて逃げて逃げて、そして逃げて。

なんていう空想妄想にもてあそばれながら改札を出たってわけだ。

あ、いけね、今日は水木しげる『小説 ゲゲゲの鬼太郎』についてだ。
本屋で見かけ、購入。
水木しげる本人が初めて小説というスタイルで鬼太郎を描いた作品ということで期待が膨らむ。
しかし残念ながらやはり水木先生は漫画の人だったのかもしれない、と感じざるを得なかった。
かなり適当な描写なのだ。
漫画に見られるような、点描による幻想的な風景は小説の中には無かった。
ヒーローとは思えないようなのんきな鬼太郎も、初期作品に見られるようなおどろおどろしい鬼太郎もいなかった。
漫画なら許される、突然のシーンの転換も小説の中ではただただ小学生が書いたような、稚拙なものに成り下がっていた。
鬼太郎が生まれるシーンはいつもの通り、しかしそこからすぐ家を飛び出し猫娘や砂かけ婆と出会い人間に仇為す妖怪を退治に出かける。
仲間の妖怪との出会いはひどく唐突で、納得がいかない。猫娘が鬼太郎のことを知っており妖怪の森へと案内する。
そして砂かけ婆らが鬼太郎に「人間に悪さを働く妖怪を懲らしめるんじゃ」と言い、鬼太郎も鬼太郎で人間社会になじめないために家を飛び出したはずなのにもかかわらず何の疑問も持たずに承知する。
そこからは妖怪との戦いがつづくだけ。
残念で仕方が無い。本当に。
ということで★☆(星1.5/5)。薦めることは到底無理。小説化された、という事実のみ評価。
P.S.下巻の「さら小僧」の出だしがすさまじい。
・ジャリー虎刈は「ザ・ビンボーズ」というポップス・バンドのリーダーである。
こんな出だし、水木先生しか書けない。やっぱりすさまじい本なのかもしれない。
今日は水木しげる『小説 ゲゲゲの鬼太郎』について。

昨日、丸の内線に乗って驚愕した。吃驚した。

仕事場に帰るべく電車に乗り込み座席に座っていると、電車は駅に着き一人の女を乗せてまた走り出した。
女、あたくしの隣に座る。気にもせずあたくしの視線は本に注がれたまま。
視界の端に赤と小豆の混じったような色の冊子がちらちらと。ぺらぺらと、音もする。一瞥。

・・・・・・おいおい隣の席の女、お前なんで真新しいパスポートを二つも持ってんだよ。
それ誰んだよ?
つーかなんだその着のみ着のまま、「あたし寝起きです」みたいな格好は!
すっぴん丸出しだし。
鞄もなんも持ってないし、男もんっぽいスーツのジャケットをぐるぐるに丸めて持ってるだけで。
もしかして男と喧嘩して走って出てきたんじゃねーだろーな?
ついつい刺しちゃったんじゃねーだろーな?
んで、なんでパスポート持ってきちゃうんだよ!
でなんでパスポート?

目が据わっている女をじろじろ見るわけにもゆかず、ちらちら、ちらちら。
事件性が高そうだなぁ。いや、そんなことないのかなぁ。

あぁ彼女怒ったよ、口論だよ、男、女の首に手をかけ力を込める、女近くの花瓶で男の頭、打ち所の悪そうなところをガシャン!
偶然と必然。
逃げなくては。自分のやってしまった事実から逃げなくては。
外は寒い、とりあえずジャケットとパスポートっと。

もしくは寝ている男。女、そっとベッドから抜け出し逃げることを決意。
一ヶ月に及ぶ逡巡に決着がつく瞬よ、さぁ訪れよ。
起こさないようにそっと引き出しを開け、目に付いたパスポートを取り出す。
逃げて逃げて逃げて、そして逃げて。

なんていう空想妄想にもてあそばれながら改札を出たってわけだ。

あ、いけね、今日は水木しげる『小説 ゲゲゲの鬼太郎』についてだ。
本屋で見かけ、購入。
水木しげる本人が初めて小説というスタイルで鬼太郎を描いた作品ということで期待が膨らむ。
しかし残念ながらやはり水木先生は漫画の人だったのかもしれない、と感じざるを得なかった。
かなり適当な描写なのだ。
漫画に見られるような、点描による幻想的な風景は小説の中には無かった。
ヒーローとは思えないようなのんきな鬼太郎も、初期作品に見られるようなおどろおどろしい鬼太郎もいなかった。
漫画なら許される、突然のシーンの転換も小説の中ではただただ小学生が書いたような、稚拙なものに成り下がっていた。
鬼太郎が生まれるシーンはいつもの通り、しかしそこからすぐ家を飛び出し猫娘や砂かけ婆と出会い人間に仇為す妖怪を退治に出かける。
仲間の妖怪との出会いはひどく唐突で、納得がいかない。猫娘が鬼太郎のことを知っており妖怪の森へと案内する。
そして砂かけ婆らが鬼太郎に「人間に悪さを働く妖怪を懲らしめるんじゃ」と言い、鬼太郎も鬼太郎で人間社会になじめないために家を飛び出したはずなのにもかかわらず何の疑問も持たずに承知する。
そこからは妖怪との戦いがつづくだけ。
残念で仕方が無い。本当に。
ということで★☆(星1.5/5)。薦めることは到底無理。小説化された、という事実のみ評価。
P.S.下巻の「さら小僧」の出だしがすさまじい。
・ジャリー虎刈は「ザ・ビンボーズ」というポップス・バンドのリーダーである。
こんな出だし、水木先生しか書けない。やっぱりすさまじい本なのかもしれない。
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