文化庁メディア芸術祭と作家田口行弘について
はいこんにちは、カレンダーをめくったら、2月-11月間がずり落ち、一気に12月になった「た」です。
昨日文化庁メディア芸術祭に行ってきた。
実はサラエボのプロジェクトに行った際に知り合った作家田口行弘氏がアート部門の優秀賞を獲得し、国立新美術館にて展示が行われているのだ。
またオープン当日、4日の夜には他の受賞者の皆さんと酒を飲むという幸運にも恵まれたためすごく楽しみだった。
しかし行ったのが土曜日ということもありろくろく見ることが出来なかったため、再度足を運びレポートをしようと思う。
さて今日紹介するのは前述の作家、田口行弘氏の初DVD作品集『moment』について。
サラエボで会ったときは建築途中にある家をカーペットで覆う『Patch Hause』という作品を作っていた。
それからというものの彼の住んでいるベルリンに行ったり、東京滞在の際はあたくしの家に泊まったりと、縁がだんだん深くなっていった。
彼の作品を実際に見て、体験し、Webで逐次追いかけているなかで感じた印象は「会場徹底活用型ガテン系アーティスト」。
会場まで手ぶら(大工道具などは色々持っているようだが)で赴きその環境にあるものと体を徹底的に使い作品を生み出していく。
それがパフォーマンスとなり、インスタレーションとなり、その記録をストップモーション・ビデオとして残すことで映像作品の体を為す。
今回受賞した作品も体と会場を大いに使った作品だった。
ベルリンのギャラリーに降り立った田口氏はおもむろに床板を剥がしだす。
それも何十枚という単位で。
床板を一枚一枚色々な場所に設置し写真を撮る。
その写真が連続した映像となった瞬間、床板は一つの生命となりベルリンの町を縦横無尽に駆け巡る。
今までは人々の足元にうずくまっているだけの木の板が立ち上がり、アクロバティックな動きで闊歩する様はまるで今まで溜まっていた「動きたい!」という願望を一気に吐き出すかのよう。
時には奇妙な奇妙なオブジェとなり、時には憩いの場となる。
普段の役割を忘れた床板は、平安の昔に信じられていた九十九神を髣髴とさせ、コミカルな動きは瞬く間にあたくしたちを魅了する。
また、このDVDには床板の作品『moment』以外の作品を収めたカタログも入っており、作家田口行弘の作風をすこしだけ味わうことも出来る。
実際に味わいたいと思ってもベルリンへと赴くか、時たま行われる日本での展示を心待ちにするしかないのが残念ではあるが。
他にも床板作品『moment』のメイキングも収録されており見ごたえ十分。というかその作業量の多さには圧倒される。
「作業量の多さで一歩抜きん出るのも面白い」と語る田口氏の言葉を改めて実感した。
なお、彼のWebサイトでは多くの動画、静止画作品を見ることが出来るので興味を持った方は是非アクセス。
あたくしが気に入っているのは2006年に制作されたDOMINO。
非常に単純ではあるのだが、ドミノの持ち主である建築歴史学の教授の歴史を考えると非常に感慨深い。
さて、田口氏の作品が見られる文化庁メディア芸術祭は国立新美術館にて2/15日(日)まで。
是非是非足を運んでみてくださいな。
田口行弘:Webサイト
文化庁メディア芸術祭:Webサイト
第12回文化庁メディア芸術祭
主 催 : 文化庁メディア芸術祭実行委員会
(文化庁・国立新美術館・CG-ARTS協会)
会 期 : 2009年2月4日(水)~2月15日(日) ※2月10日(火)は休館
10:00~18:00(金は20:00まで)
会 場 : 国立新美術館(港区・六本木) 東京都港区六本木7-22-2
アクセス情報
入場料 : 無料
昨日文化庁メディア芸術祭に行ってきた。
実はサラエボのプロジェクトに行った際に知り合った作家田口行弘氏がアート部門の優秀賞を獲得し、国立新美術館にて展示が行われているのだ。
またオープン当日、4日の夜には他の受賞者の皆さんと酒を飲むという幸運にも恵まれたためすごく楽しみだった。
しかし行ったのが土曜日ということもありろくろく見ることが出来なかったため、再度足を運びレポートをしようと思う。
さて今日紹介するのは前述の作家、田口行弘氏の初DVD作品集『moment』について。
サラエボで会ったときは建築途中にある家をカーペットで覆う『Patch Hause』という作品を作っていた。
それからというものの彼の住んでいるベルリンに行ったり、東京滞在の際はあたくしの家に泊まったりと、縁がだんだん深くなっていった。
彼の作品を実際に見て、体験し、Webで逐次追いかけているなかで感じた印象は「会場徹底活用型ガテン系アーティスト」。
会場まで手ぶら(大工道具などは色々持っているようだが)で赴きその環境にあるものと体を徹底的に使い作品を生み出していく。
それがパフォーマンスとなり、インスタレーションとなり、その記録をストップモーション・ビデオとして残すことで映像作品の体を為す。
今回受賞した作品も体と会場を大いに使った作品だった。
ベルリンのギャラリーに降り立った田口氏はおもむろに床板を剥がしだす。
それも何十枚という単位で。
床板を一枚一枚色々な場所に設置し写真を撮る。
その写真が連続した映像となった瞬間、床板は一つの生命となりベルリンの町を縦横無尽に駆け巡る。
今までは人々の足元にうずくまっているだけの木の板が立ち上がり、アクロバティックな動きで闊歩する様はまるで今まで溜まっていた「動きたい!」という願望を一気に吐き出すかのよう。
時には奇妙な奇妙なオブジェとなり、時には憩いの場となる。
普段の役割を忘れた床板は、平安の昔に信じられていた九十九神を髣髴とさせ、コミカルな動きは瞬く間にあたくしたちを魅了する。
また、このDVDには床板の作品『moment』以外の作品を収めたカタログも入っており、作家田口行弘の作風をすこしだけ味わうことも出来る。
実際に味わいたいと思ってもベルリンへと赴くか、時たま行われる日本での展示を心待ちにするしかないのが残念ではあるが。
他にも床板作品『moment』のメイキングも収録されており見ごたえ十分。というかその作業量の多さには圧倒される。
「作業量の多さで一歩抜きん出るのも面白い」と語る田口氏の言葉を改めて実感した。
なお、彼のWebサイトでは多くの動画、静止画作品を見ることが出来るので興味を持った方は是非アクセス。
あたくしが気に入っているのは2006年に制作されたDOMINO。
非常に単純ではあるのだが、ドミノの持ち主である建築歴史学の教授の歴史を考えると非常に感慨深い。
さて、田口氏の作品が見られる文化庁メディア芸術祭は国立新美術館にて2/15日(日)まで。
是非是非足を運んでみてくださいな。
田口行弘:Webサイト
文化庁メディア芸術祭:Webサイト
第12回文化庁メディア芸術祭
主 催 : 文化庁メディア芸術祭実行委員会
(文化庁・国立新美術館・CG-ARTS協会)
会 期 : 2009年2月4日(水)~2月15日(日) ※2月10日(火)は休館
10:00~18:00(金は20:00まで)
会 場 : 国立新美術館(港区・六本木) 東京都港区六本木7-22-2
アクセス情報
入場料 : 無料
タグ : お菓子
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